3月29日(金)緊急院内集会・デモ行進のご報告
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3月29日(金)緊急院内集会・デモ行進のご報告
「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク
3.29緊急院内集会・デモ行進報告
「子どもの貧困対策法」制定を!
326万人の貧困世帯の子どもたちの未来に希望を!
貧困の連鎖に終止符を!
子どもの貧困率は15.7%、約326万人の子どもが貧困な生活を強いられています。とくに、ひとり親世帯の貧困率は50.8%で、OECD30か国中最下位です。私たち「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークは、喫緊の課題である子どもの貧困削減のため、「子どもの貧困対策法」(仮称)の制定が必要だと主張してきました。
この取り組みの一環として、2013年3月29日、あしなが育英会(玉井義臣会長)及び遺児と母親の全国大会(緑川冬樹実行委員長)との共催で、実効性のある「子どもの貧困対策法」制定を訴える緊急院内集会を衆議院第一議員会館大会議室で開催しました。
この集会には、北海道から九州まで、全国各地から約250人の遺児高校生・大学生、生活に困難を抱える若者、お母さん・お父さん方、支援者らが集まりました。また、集会後には日比谷公園までデモ行進をしました。
今回の集会とデモ行進は、国会での「子どもの貧困対策法」制定への動きを後押しし、実効性のある法律になるよう働きかけることを目的とするものです。
私たち「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークは、2010年2月の準備会発足以来一貫して、総合的な子ども貧困対策の必要性と「子どもの貧困対策法」制定の必要性を訴えて来ました。また、あしなが育英会も、2009年12月の遺児と母親の全国大会以来、「子どもの貧困対策基本法」制定を訴えてきました。
現在、生活保護基準の改定及び生活保護法改正・生活困窮者支援法(仮称)制定への動きに連動して、今年3月以降、与野党の議員立法で「子どもの貧困対策法」を制定しようとする動きが急展開となっています。
下村博文・文部科学大臣は、3月1日の定例記者会見で「超党派で議員立法の議論を期待し、政府で協力できることは最大限協力したい。貧困の連鎖で子どもの将来の可能性を閉ざされることがあってはならない」と発言しました。自民党の法案要綱は4月24日までに作成されたと伝えられていますが、4月26日現在その内容は明らかになっていません。他方、民主党も、3月12日に「子どもの貧困対策法案」を決定し、「今後、野党政調会長会談で提起し、野党共同提出を目指す」と発表しました。
私たち「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークは、この集合とデモ行進を通じて、子どもの貧困を実効的に削減・軽減できる法律の制定を与野党及び政府に訴えました。代表世話人の湯澤直美(立教大学教授)が「子どもの貧困対策法」に盛り込むべき規定を具体的に列挙したほか、世話人の中嶋哲彦(名古屋大学大学院教授)もイギリスの「子どもの貧困法」の例を紹介しつつ実効性をもたせるための要件について述べました。発言内容は別添資料をご覧ください。
また、共催団体である遺児と母親の全国大会の実行委員長緑川冬樹氏からも、貧困削減目標や貧困削減計画策定への当事者・支援者参加など「子どもの貧困対策法」に盛り込むべき事項について意見を述べました。さらに、遺児の母親として三重県在住の古賀艶子さん、震災被災地の宮城県父子の会代表の村上吉宣さん、あしなが育英会高校奨学生の京都府在住、安田香澄さん、首都圏在住の母子家庭の中学生も、自ら体験を痛切に語りました。
この集会には与野党の16人の国会議員が参加したほか、14社・団体27人の記者らが集会やデモ行進の様子を取材しました。
■当事者の訴え
安田香澄さん(あしなが育英会高校奨学生・京都府在住)
私は1歳のときに父親を亡くしました。お父さんの記憶はありませんが、寂しいと思うことは多々ありました。友だちの家に遊びに行ったとき。父の日に学校で似顔絵を書くとき。家に帰ったときにお母さんが仕事でお兄ちゃんしかいないとき。どうしてお父さんがいないのだろうと思わずにはいられませんでした。
お母さんはずっと看護師として働いています。ずっと股関節をいためながらも私とお兄ちゃんのために毎日働いてくれました。でも、食費をけずったり、普段の生活で我慢しないといけないことはたくさんあります。ウインナーを細かくきざんでおなかいっぱいになるように工夫したり、もやしにいろいろな味をつけてご飯を食べたりしました。
我慢したことはいっぱいありましたが、中学3年生のときに初めて塾に通いました。きっとお金がかかったと思いますが、そのとき初めて勉強すれば結果がついてくるということを知れました。そのまま塾に通うことがなければ、勉強の面白さを知ることはなかったと思います。おかげで、高校では進学校に通うことができました。
もうすぐ高校2年生になります。大学は理工学系の学校に進学し自分の好きな学問を勉強していきたいです。お金の不安はありますが、前向きに、進学を目指しています。
高校に通っていて、勉強するにはたくさんのお金が必要だと感じるようになりました。教科書代、修学旅行費、勉強合宿代など、私たちにとって決して楽な金額ではありません。それなのに、同級生ではさらにお金を払い塾に通う人がいます。正直、そんな人に勉強ではかないません。その差を私たちはどこで埋めればいいのでしょうか。
今は多くの人の支えがあって高校で勉強をすることができています。でも、そうでない家庭もたくさんあるはずです。どうか親がいなくても家計が苦しくても勉強に集中することができるように応援してください。
お金で勉強する機会を失うような、そんな社会にはしないでください。
母子家庭の中学生(首都圏在住)
関東から来た中学生です。私は、去年5か月間ほど児童相談所の一時保護所で過ごしていました。そこでは、貧困が問題で施設にくる幼稚園児、小学生や中学生、高校生などといった人たちがたくさんいました。いつ餓死するかわからない恐怖に震えながら施設に送られてくる子、ずっと同じ洋服を着ながら、着替えないでそのまま施設に送られてくる子ども。たくさん、いろんな事情を抱えた子どもたちが施設にいました。施設で勉強は先生たちが教えてくれますが、どうしても遅れてしまいます。一度家のほうに帰れても、また家のほうで問題が起きて、また送り返されてくる子どもも大勢いました。
私は貧困が原因ではありませんでしたが、貧困が問題で施設に送られてくる子どもたちは、とても心細い思いをしたと思います。私は、5か月近く施設にいましたが、手紙が届くまでに1か月近くかかるので、手紙の返事もなかなかもらえず、ずっと孤独で過ごしていました。幼稚園生や小学校低学年の子は、もっともっと寂しい思いをしていたと思います。家でも、親が帰って来ずに、ずっと一人で留守番していたという子もいました。施設でも、友達はできるにはできますが、個人情報の漏えいを防ぐために、自分の家の事情や、悩みごとを話してはいけないという決まりがあったので、どうしても仲良くなるのに限度がありました。とても寂しかったと思います。
私も施設にいた期間が長かったせいで、勉強がとても遅れています。受験も、推薦を受けることはできましたが、落ちてしまいました。私の他にも、受験生で施設に送られてくる子もいます。その人たちの中で、家のことが大変だから自分たちは高校に行かないでそのまま働こうという人達もいました。けれど、中卒で雇ってくれるところがなかなかなくて相談してくる人達もたくさんいました。私も相談を受けても、就職のことはよくわからないので、どうしてもその子たちの力になれませんでした。同い年の子たちが勉強ではなく、就活でとても苦労しているのに、私はその子たちの力になれなくて、自分のこともやりきれなくて、家族の支えにもなれなくて…。それでも勉強はちゃんとやって、高校へ行って、少しでも母親の力になれるようにと思って、今努力し続けています。
絶対に、こういう子どもたちを増やしてほしくないです。施設に来て勉強が遅れて、貧困のせいで何度も何度も施設に来るはめになって、心細くなって、学校にも慣れなくて、友だちもできなくて、家族とのつながりもどんどん減っていって、自分のことで手一杯になって、押しつぶされそうになって、そんな子を絶対増やしてほしくないです。
私は少しでも国がそういった子どもたちのことを理解してくれたらいいなと思っています。
古賀艶子さん(遺児の母親・三重県在住)
私は、平成18年のクリスマスイブに夫を病気で亡くしました。亡くなったと同時に、高額な医療費の請求に苦しみました。電気や、水道、ガス、電話などのすべてのライフラインを止められ、私と、当時15歳の娘と9歳の娘は、暗闇の中、とても怖い思いをして過ごしたこともあります。生活保護を受けようと、役所に相談しましたが、持ち家と車があるとの理由で、冷たく断られました。持ち家はローンだらけの家でした。不況で仕事もない。ずっと仕事を探し続けもう5年経ちますが、仕事が見つからず、無職です。上の娘は現在働いていますが、3か月ごとの契約社員で、大変不安定です。下の娘は四月から高校2年生になり、大学に進学したいと言っています。娘は、一生懸命勉強し、成績は学年で10位以内。そんな娘を応援したいのですが、今の暮らしでは学費が賄えません。とても悔しいです。私たちのような母子家庭の母親に、仕事を与えてください。子どもたちが夢や希望を持って学業に専念できる社会にしてください。お金持ちではなく私のような立場の視点で政治を行ってください。私たちを切り捨てないでください。
村上吉宣さん(震災被災地・宮城県父子の会代表、全国父子家庭支援連絡会理事)
父子家庭の抱える最大の課題は孤立です。政治から、メディアから、自治体から、支援団体から、職場から一気に隔絶されてしまうのです。震災で父子家庭になってしまったある男性は、僕に訴えてくれました。「お金がほしいわけじゃないんです。子育てをしながら働きやすい社会になっていってほしい。僕たちの経験を次世代に生かしてほしい」。涙ながらにそう訴えられていました。子どもの貧困という課題、ひとり親家庭の貧困という課題に向かい合う必要があります。しかし、そのためには従来の女性=子育て支援という目線を主にした、問題提起を意識して払拭する必要があることを政治家のみなさん、一般世論のみなさまには理解していただきたい。僕はそう考えます。父親が子育てしながら働きやすい、生きやすい社会は、女性にとっても、母子家庭にとっても生きやすい社会であると。少しだけ想像してみていただきたいのですが、もし今日、突然奥様がなくなられてしまったら、あなたは今の仕事を続けながら子育てをしていくことができますか。僕達は、3.11のあの瞬間に感じたあの危機感を忘れてはなりません。
■イギリス「子ども貧困法」の研究者から
中嶋哲彦・名古屋大学大学院教授(「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワーク世話人)
イギリスでは、子どもの貧困の実態を黙ってはいられないと、「子ども貧困法」を制定しました。この法律では、10年間で達成すべき貧困の削減目標を定め、その達成に向けて政府が貧困根絶戦略を政策定し、その達成に責任を負うという仕組みを定めました。このため、毎年状況を調べて、貧困対策が適切に行われていなければ、それを改善しながら、先へ進んでいくことになっています。
日本にも、このような法律が必要です。子どもの貧困を減らすためには、「私たちができることをできる範囲でする」という理念じゃだめなんです。目標をはっきり決めて、その目標を達成するには何をしなければならないのかということを明確にする。そのためには、貧困をどこまで減らすのか、例えばこの10年間で何%まで減らすというように法律で決めていただきたい。その上で、それを実現するための方策を、政府はもちろん、貧困の当事者や支援者も加わって決めることが必要です。国民に政府としての対応や、国会としての覚悟をしっかりと示していただきたい。それが多くの国民に希望を与えると思います。そうすることで、自分もそのために努力しないといけない、協力しようという国民が現れてくると思います。
子どもや若者に人生をあきらめさせない社会をつくっていただきたい。私たち自身がそういった社会をつくるために力を尽くしたいと思います。そのためには何が必要なのか。貧困削減計画の2つの課題です。ひとつは、低所得、所得格差の是正です。また、不安定な雇用の改善です。二つめは、今ある貧困に対して、適切な対策を講ずることです。どういうニーズがあるのかを把握し、それに応ずるための社会福祉などの政策をきめ細かく行なっていくことが課題だと思います。それを実現するためには、貧困当事者の意見を聴くことをしていただきたいと思います。
■主催者要望
緑川冬樹・遺児と母親の全国大会実行委員長(神田外語大3年・あしなが育英会大学奨学生)
あしなが育英会の大学奨学生は、2009年12月の「遺児と母親の全国大会」から毎年、「子どもの貧困対策基本法」の制定を訴えてきました。育英会調査では、遺児母子家庭の母親の平均勤労年収が1998年に200万円を超えていましたが、2010年には113万円に激減しています。一方で就学援助を受けている生活保護世帯と準生活保護世帯の全国の小中学生数は、1998年の83万人から2010年には155万人に激増しています(文部科学省調査)=グラフ。さらに2008年の「リーマンショック」、そして2011年の東日本大震災が追い打ちをかけ、遺児家庭をはじめとする貧困世帯の生活は、崖っぷちのピンチが続いています。
子どもの貧困率を下げ、この状況を打破するには、貧困の中でも社会のご支援で大学進学ができた私たちあしながの学生が立ち上がり、すべての貧困世帯の子どもたちのために訴えなければならない!そういった想いで毎年「子どもの貧困対策基本法」制定を呼びかけてきました。
そして今、「子どもの貧困対策法」制定に向け、与野党で議員立法による法制化の動きが本格化しました。しかし、子どもの貧困解決に結びつかない法律では意味がありません。①子どもの貧困率の削減に関する数値目標を設ける、②大学・専門学校などに就学中の者までを対象とする、③当事者である貧困家庭やその支援者・団体が子どもの貧困対策計画に参画できるようにする、④法律の3年ごとの見直し規定を明記する、ことを盛り込んでください。「2013年が『子どもの貧困』のターニング・ポイントになった」と後に言われるように、今年を「子どもの貧困対策」元年にしてください。子どもの貧困が連鎖し、拡大していくことを望む人はいないと思います。すべての子どもたちが未来に希望がもてる社会を実現するために、中身のある「子どもの貧困対策法」を今国会で制定してください。
湯澤直美・立教大学教授(「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク共同代表)
子どもの貧困対策法の今国会での成立を切望します。法律の必要性は、子どもの貧困率の悪化からも明らかです。1980年代半ば当時から、すでに10人に1人の子どもは貧困線未満という生活であり貧困問題は深刻だったわけですが、今では6~7人に1人という状況に悪化しています。この間、「自分が生きているだけでお金がかかる」という言葉を何人もの若者が発しているのを聞きました。若者にこんな言葉を言わせ、自分を責めさせるような社会。それが日本の現実です。実効性のある対策法を制定することは、一刻の猶予もないと考えています。①貧困の連鎖をくいとめるという根本的な問題解決のために、②貧困に陥ることを予防するちからをもつ地域社会を育てていくために、③何よりもすべての子どもの全面的な発達と潜在能力の実現のために、実効性のある子どもの貧困対策法が必要です。
私たちの要望は、①削減目標の明記です。「削減目標の明記/削減のための計画の立案と施策の評価、/それらの報告義務」は、セットとして必要なものです。イギリスばかりではなく、欧州理事会による「欧州2020」という戦略の中でも貧困問題の数値目標は設定されており、国際社会においつくよう取り組んでいただきたい。②政府・地方自治体の施策の実施義務の明記です。政治が変動する中で、一貫した政策が担保されずに、子育て家庭を安定的に支える状況がなくなってきています。また、地方自治体の施策の格差、これは就学援助制度でも明白ですが、一刻も早く改善しなくてはなりません。③大綱の設定と、子どもの貧困総合対策会議の設置を当事者参画でぜひお願いします。子どもの貧困という実態は、理解されにくく眼に見えないものです。当事者の声を聴くことなしに、この計画を進めることはできません。④実態の把握を省庁横断的に進めていただきたいと考えております。保育、教育、医療、福祉、住宅などあらゆる政策に貧困問題解決の視点を導入し、当事者の実態把握をもとに計画を立案してください。⑤法律の定期的な見直しができるという規定を入れてください。
■各政党代表国会議員のご発言
自由民主党 薗浦健太郎・国会対策副委員長
大変に重たく痛切なお話をうかがいました。わが党も、下村大臣はじめ、子どもの貧困対策法を本国会で提出すべく準備をしています。公明党、法制局との協議も進めています。
環境による教育の機会が奪われることは、あってはならないことです。機会は平等でないといけません。子どもに責任はありません。国が実効性のある政策でそれを支援していかなければならないと思っております。これは、どこの省庁がやると言うのではなく、政党や省庁の垣根を越えて、国として取り組んでいくんだということを、法案に明記したいと思います。当然、実効性を担保しなければならないので、国に責務を負わせ、貧困対策の大綱を書きなさいということを法案に書こうと思います。その中でいろんな施策を盛り込んでいきたいと思っています。気運が高まっている今は、極めて大きなチャンスです。今日はすべての政党の先生方がいらっしゃっているわけですから、与野党関係なく、ご理解をいただきながら、本国会で法案を提出し、成立に向けて私も努力します。
公明党 古屋範子・政務調査会副会長
あしなが育英会を始め、みなさまがたの活動に心から敬意を表します。私たちも、学びたい方々に学ぶ機会をと、前の連立政権のときから、奨学金の拡充を進めてきました。また、給付型奨学金の新設も強く主張しています。生活困窮者対策の立法化、その財源の確保にも奔走しています。また一方で、高校進学できない、高校中退してしまう、そのために就職の際に大変なご苦労をされてしまうなど、生活困難を抱えた家庭のお子さまへの学習支援、塾にいったことがないという方々への教育支援をしっかりと行なっていきます。そして親たちへの就労支援、また住宅支援なども法律に盛り込み、また財源も確保して、進めてまいりたいと、決意した次第です。
自公連立政権の一角として、これから私たちも全力を上げ、子どもの貧困対策法制定に向け、尽力していきます。
民主党 山井和則・厚生労働部会座長
全国で貧困によって、自分の夢を進学を諦めようか、そう悩んでおられるお子さんたちは非常に多いと思います。その99.9%の方々が、この集会に来ることはできません。しかし、今日全国からお集まりになっている皆さんが、貧困に苦しんでいる子どもたち、お父さんお母さんの声を代弁してくださっているのだと、非常に重く受けとめています。
野党も全力で頑張ります。与野党垣根なしで、なんとしても今国会で成立させていきたい。下村文部科学大臣は、あしなが出身です。下村先生が大臣のときにこの法律が成立できなければ永遠にできないのではないかと思っています。この重要な法律を、この日本国に、この国会中に成立させるのかどうかということが、私たち国会議員全員の肩にかかっています。子どもの貧困は、子どもの自己責任では絶対にありません。そういった子どもを支えるために、国会はあります。
日本維新の会 鈴木望・文部科学担当主査
党の中で、私がこの立場に立たせていただき、運命的なものを感じ、一生懸命頑張って行きたいと決意を新たにしております。私の祖父は、事故で亡くなりました。父が奨学生のときに亡くなったので、父は非常に苦労を、それ以上の苦労を祖母はしました。そして父が大学生の頃に、祖母は過労で死んでしまいました。父親が祖母のことを話すときは、いつも涙ながらに話をしておりました。本当にお母さま方は、苦労をされているのと思います。そういうご苦労にもきちんと報えるように、与えられた職責をきちんと果たせるように日本維新の会として頑張ってまいります。
みんなの党 川田龍平・政策調査会副会長
超党派で議員立法を進めていくというのは、本当にいいことです。貧困率を公表したことは民主党政権の成果です。子どもの貧困率を掲げ、少なくしていくことは、政府をあげて取り組んでいかなくてはいけない。ぜひ与党の協力も得ながら、この法律を超党派で成立させるということが大事です。私自身も母子家庭であった時期がありますし、子どもの貧困問題を、ぜひとも解決するべく、全力で頑張って行きます。
私の妻は、『貧困大国アメリカ』(岩波新書)を書きました。アメリカの貧困問題の行末が日本の行末に重なるものがあります。この問題に全力で取り組んでいくとお約束します。
日本共産党 宮本岳志・文部科学部会長
日本には憲法も教育基本法もあり、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有し、教育の機会均等、すべての子どもたちが学ぶ権利を保障されなければなりません。ところが現状は、程遠いものです。ぜひともこの法律を実現させて、貧困対策を省庁横断的に進めたい。貧困率削減の数値目標を決め、アクションプランを決めて具体的に進めること、そしてその対策会議には当事者のみなさんに入っていただくこと、この点をしっかりと各党で詰めて、実現のために頑張ってまいります。
社会民主党 福島みずほ・党首
今国会で全力で子どもの貧困対策基本法を成立させます。貧困根絶のための数値目標とプログラムをつける。子どもの定義は20歳まで。大学へ行く人も多いですし、20歳までの支援をしっかりと盛り込む。それから、見直し規定を設けるということなど、実現していきます。親の財布の大きさが子どもの未来を変えてしまうということを、政治の場面で変えて行きたいと思います。
【緊急院内集会にご出席いただいた16人の国会議員の方々(敬称略)】
自由民主党 薗浦健太郎、金子恵美
公明党 古屋範子
民主党 山井和則、長妻昭、菊田真紀子、郡和子、那谷屋正義、斎藤嘉隆
日本維新の会 鈴木望
みんなの党 川田龍平
日本共産党 宮本岳志、田村智子
生活の党 佐藤公治
社会民主党 福島みずほ、吉田忠智
■院内集会とデモに参加して
岸野秀昭(大学4年生)
初めてのデモ参加にもかかわらず先頭に立って呼びかけたことは使命感を強く感じ、非常にいい経験でした。
今回の参加で得たことは大きく3つありました。あしながの学生たちの活気、私たちの関わり方についての再確認また、来年度へのモチベーションです。
まずあしながの若者たちの活気には圧倒されました。あれだけの人数が一同に集まるのは圧巻でした。
CYCLEでもより多くの学生を巻き込みたいです。
それと同時に、「子どもの貧困」への関わり方の多様性も確認できました。若者たちは、現実を多くの人に知ってもらい政治や法律・制度に影響を与えようと活動されているかと思います。
対照的に自分たちはただ目の前の子どもを支援するという立場です。
私の立場としては、確かにあまりいい法律・制度ではないかもしれないですが、それにも助けられ、成長してきたということも認めたいと思っています。だから上を動かすより、まず自分が目の前に向かって動かないと気が済まないのです。しかしながら、昨今のように法律の改悪ともいえる事態や、その罪滅ぼしに形だけの法律ができるかもしれないことに危機感を覚え、何とかしなくてはと思い、動いています。
しかし直接支援がある以上、関わりの深さには限界があります。それらを総合的に考え、「学びサポート」と「政策提言」という両輪またそれらに根拠を与える「調査」が噛み合うことの大切さを再確認しました。
この3つの有機的な関係をカバーしているネットワークの活動の意義も体感できました。
一連の問題で「学びサポート」で関わり始めながら「政策提言」にもお力添えできて、非常にいい経験になりました。どのような方法かはまだ分かりませんが、後輩にもつなぎたいバトンです。
最後に、今回の規模を目の当たりにし初めてネットワーク会議に参加させていただいた時の感覚を思い出しました。たしか、スーツで伺ったかとおもいますが、当事者としてなんとなくの全体像しか見えていないながら、「こんなに多くの方が、自分が抱えてきた問題について立ち向かっているのか」と素直に驚いたのです。同時に自分にもできることがないかを考え始めていました。ちょうどそんな感覚を思い出し、来年度以降も、まだやることは多いなと感じました。
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