【開催報告】2023年12月9日(土)第23回子どもの貧困対策情報交換会を開催いたしました
水曜日, 1月 10th, 2024 2023年12月9日(土)午後、第23回子どもの貧困対策情報交換会
「こども大綱を受けてー子どもの貧困対策のいまとこれから」を会場およびオンラインで開催いたしました。
(主催:「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク/助成:公益財団法人 キリン福祉財団)
当日、会場(東京・エッサム神田)には東京・埼玉・神奈川・栃木から11名の方に、またオンラインでは全国から60名の方にご参加いただきました。今回も、小学校・大学教員、SSW、自治体職員、地方議員、NPO・NGOスタッフ、学生、社会人、社団法人・財団法人関係者、特別支援学校職員、児童相談所職員、主任児童委員、メディア関係者、研究者など、様々なお立場の方にご参加をいただきました。ご参加いただいた皆様にあらためましてお礼申し上げます。
今回は、今年4月のこども基本法の施行とこども家庭庁の発足のもと、こども大綱の策定に向けた動きが進む中、市民の声をこども大綱に反映させるために市民団体が行ってきた取り組みとあわせて、現在の子ども・若者支援の現場の声をご報告いただき、子どもの貧困対策のいまとこれからについて考えることをテーマに開催されました。
講師には、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの田代光恵さん、特定非営利活動法人こどもソーシャルワークセンター理事長の幸重忠孝さんのお二人をお迎えしました。
まず、「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク世話人の山野から、「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークでとりまとめた「こども大綱策定に向けた子どもの貧困対策に関する要望(第2次)」の内容について、ポイントとなる点(子どもの権利侵害であること、子どもの声を聴くこと、保護者等の労働問題、大綱で政策が後退しないこと等)について説明をいたしました。
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの田代光恵さんからは、「こども大綱策定に向けた市民社会の声」というテーマでお話いただきました。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの子どもの貧困解決に向けた直接支援の取り組みと、その取り組みの中で当事者の方から届けられた声についてのお話の後に、「子どもの貧困はすべての子どもの権利の否定であり、子どもの権利に根差した子どもの貧困対策の推進が不可欠である」という視点から、国内の子どもの権利に関わる法制度について、こども基本法の理念・こども家庭庁およびこども大綱の策定プロセスについてご説明いただきました。また、こども大綱の中間整理案に対して、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンと「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークで取りまとめた共同意見書に全国85団体もの賛同があったこと、賛同コメントの紹介がありました。その後、実際に共同意見書等の意見(バブリックコメント)を受けて、どういった内容がこども大綱の整理案に反映されたのか、こども家庭庁が公開しているフィードバック資料についてご説明いただきました。最後に、今後の具体的な施策を定める「こどもまんなか実行計画」について、市民社会からの継続的な働きかけが重要であるというご提言をいただきました。
特定非営利活動法人こどもソーシャルワークセンター理事長の幸重忠孝さんからは、「声を届けにくい子どもや若者たちのことを忘れないで-子ども・若者支援の現場の声-」というテーマで、どうしても届きにくい子ども達の声があるということをお話いただきました。こどもソーシャルワークセンターでの最近の支援の現場についてご報告をいただき、取材VTR等を用いて、センターの活動内容についてご紹介いただきました。10年間活動していく中で、国の制度がようやくセンターの活動に追いついてきており、居場所事業に補助が出るようになったが、貧困課題が濃い子どもたちは居場所提供だけでは親世代から続く貧困の連鎖から抜け出ることは出来ず、
支援対象が子どもの成長にあわせて若者に広がっているというお話がありました。幸重さんからは、「こども家庭庁がこども若者の声を聞き、こどもが参画できる取組が行われたのは歓迎するが、VTRの中に出てくる子ども達が、自ら意見を発することができるかというと、やはり難しい。例えば、自らが貧困家庭であるという意識がない子、基礎学力がついておらず文字での表現が苦手な子、発達の課題により言葉での表現が難しい子、人前で話す経験がない子や、安心できる環境でやっと話のできる子など、こうした声を発しづらいこども達がますます忘れさられてしまう実感がある」という問題提起をいただきました。
お忙しい中ご登壇いただきました田代さん、幸重さんに、あらためましてお礼申し上げます。
■報告資料
〇田代 光恵さん
こども大綱を受けて子どもの貧困対策のいまとこれから「こども大綱策定に向けた市民社会の声」
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2023/12/20231209tashiro.pdf
〇幸重 忠孝さん
声を届けにくい子どもや若者たちのことを忘れないで-子ども・若者支援の現場の声
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2023/12/20231209yukishige.pdf
特定非営利活動法人こどもソーシャルワークセンター
https://cswc2016.jp/
「京都新聞連載コラム こどもたちの風景 湖国の居場所から」
https://note.com/yukkyi1010/n/n6714a888cd22
「読売新聞連載 キミのきもちは 家庭の事情やすらげない」
https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20231101-OYO1T50069/
■参加者アンケートより
・こども大綱についてどんな策定があり、取り組みがあるのかを知れてよかった。
・こども大綱の概要とその課題を知ることができました。
・子どもたちや、支援している方の生の声が聞けた。知らないこと、想像していなかった方が多く、視野を広げてくれた。
・すべてのこども、若者が安心して成長し、経験を重ねられるためには、こどもの権利条約がさまざまな場面でいかされることが必要です。教育の場、家庭への啓発が必要だと思います。
・幸重さんのお話に深く揺り動かされました。心理的安全性を担保された居場所の意義、そこでなら本音が出せる。様々なエピソードを聞かせていただきました。携わる職員の処遇のこと、地域格差、課題をいっぱい浮き彫りにしてくださった本日の会でした。ありがとうございます。
・幸重さんが、声をあげられない(言わない)子どもたちがいる、と報告されていて共感しました。どうやって声にならない思いを掬い上げるのか課題だと思います。
2023年10月22日(日)こども大綱策定に向けた子どもの貧困対策に関する共同意見書及び要望書を提出致しました
月曜日, 10月 23rd, 2023私たち市民団体(「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワーク世話人会・公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)は、9/29にこども家庭庁の公表した子ども政策の基本的方針(中間整理)に対し、共同意見書を作成・公表し、10/12より賛同団体を募りました。
その結果、10/21までに全国の85団体にご賛同いただきました。
限られた期間に、多くの団体のみなさまにご賛同いただけましたこと、改めてお礼申し上げます。
10/17までに賛同のあった団体名を共同意見書に明記し、10/18にはこども家庭庁長官官房(総合政策担当)と意見交換を行いました。また、10/21までに頂いた賛同団体のみなさまを共同意見書に記載の上、10/22にパブリックコメントに提出いたしました。
・こども大綱中間整理への共同意見書 ~子どもの権利に根差した子どもの貧困解決に向けて~
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2023/10/20231022kyoudouikensyo.pdf
また、私たち「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク世話人会が、8/5に内閣官房・内閣府・文部科学省・厚生労働省・こども家庭庁等関係省庁に提出いたしました第1次要望書の内容に、この間2回に渡り開催いたしましたネットワーク会議等で伺った市民の皆さんの声を反映し、第2次要望書として10/22にパブリックコメントに提出いたしました。ネットワーク会議にご参加頂きましたみなさまには改めましてお礼申し上げます。
・こども大綱策定に向けた子どもの貧困対策に関する要望(第2次)
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2023/10/20231022kodomotaikou_youbou_dai2ji.pdf
日本に暮らすすべての子ども・若者が尊厳を守られ、自分らしく暮らし育つために、これらの意見が大綱に反映されるよう、強く要望いたします。
以上、ご報告いたします。
「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワーク世話人会
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「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク
TEL 070-6576-3495(電話番号が変わりました)
E-mail mail@end-childpoverty.jp
HP https://end-childpoverty.jp
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2023年8月5日(土)こども大綱策定に向けた子どもの貧困対策に関する要望書を提出致しました
土曜日, 8月 5th, 2023私たち「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークは、2010年4月の発足以来、貧困状態にある子どもとその家族、若者、学生、直接支援に取り組む個人や団体のほか、地方自治体の議員や職員、研究者、メディア関係者等が個人として参加するネットワークを通じて、子どもの貧困対策を市民の立場で議論し、子どもの貧困とその解決について知見を深めてきました。
今般、こども家庭庁の設置にともない、こども大綱が策定されることとなりましたが、その大綱において子どもの貧困対策が十分に位置づけられ、施策がさらに拡充されることを願い、これまでの活動と議論の蓄積を基に、以下の要望をまとめました。
・こども大綱策定に向けた子どもの貧困対策に関する要望(第1次)
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2023/08/20230803kodomotaikou_youbou_dai1ji.pdf
・こども大綱策定に向けた子どもの貧困対策に関する要望(第1次)提出用
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2023/08/20230803kodomotaikou_youbou_dai1ji_teisyutu.pdf
取りまとめた要望は、内閣官房・内閣府・文部科学省・厚生労働省・こども家庭庁等関係省庁に提出をしています。
なお、この要望書を「第1次」とりまとめとし、こども大綱策定に向けて、引き続き市民のみなさんの声や願いを受けとめ、より豊かにしてまいりたいと考えております。どうぞお力添えください。
以上、ご報告いたします。
「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワーク世話人会
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「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク
TEL 070-6576-3495(電話番号が変わりました)
E-mail mail@end-childpoverty.jp
HP https://end-childpoverty.jp
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【開催報告】2023年4月16日(日)政策学習会――宮本みち子さんに聞く
土曜日, 5月 6th, 20232023年4月16日(日)、「政策学習会――宮本みち子さんに聞く」を開催いたしました。これは実に、2020年2月の第11回子どもの貧困対策実践交流会「子どもの貧困対策法・大綱の見直しを受けて――市区町村の子どもの貧困調査を考える」以来、3年2か月ぶりの対面参加方式での開催でした。
当日は、埼玉・東京・千葉・神奈川を中心に、自治体職員、NPO・NGOスタッフ、学生、メディア関係者、研究者など約30人の方々が、東京・日本教育会館に集まりました。
今回は、本年4月からのこども基本法施行とこども家庭庁発足のもと、秋に予定されている「こども大綱」策定に向けて、今後の子どもの貧困対策をどのように進めていくことができるかを考えることをテーマに開かれました。
講師には、子供の貧困対策有識者会議座長を務め、1月に「こども大綱策定に向けての意見」をまとめた宮本みち子さん(放送大学/千葉大学名誉教授)にお願いいたしました。
宮本さんは、豊富な資料で、これまでの子どもの貧困対策と、今後の見通しについて、「こどもの声を聴く」「こどもの権利を守る」ということを中心に問題提起を交えながら、わかりやすく解説してくださいました。
【参加者の感想から】
・こども大綱策定に向けて、課題がコンパクトに整理されていて、大変わかりやすかったです。
・教育施策と、どう関連づけていくのかが、大きなポインだと思います。
・不備や疑念も多くありますが、新たなスタート、チャンスととらえて考えたほうがよいかと感じました。
・貧困・弱者といわれる層への支援が少子化対策にかき消されてしまわないよう、指標分析とそれに基づく支援策の強化、対策「貧困への対策」を検討刷る部署はあるのでしょうか?
・こどもの声をどう聞いていくのかが、とてもたいせつなのだと学びました。
・現場での取り組みについて、いろいろな課題を知ることができました。
・若者支援について、テーマに取り上げてもよいと思いました。 など。
【宮本さん当日配布資料】
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2023/04/20230416miyamoto.pdf
【関連サイト・資料PDF】
・子供の貧困対策に関する大綱の進捗状況及びこども大綱策定に向けての意見/子供の貧困対策に関する有識者会議 令和5年1月
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_seisaku_yushiki/dai7/siryou1-1.pdf
・子供の貧困対策に関する大綱の進捗状況及びこども大綱策定に向けての意見(概要)/宮本みち子 令和5年2月15日
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_seisaku_yushiki/dai7/siryou1-2.pdf
・こども家庭庁関連施策の主なスケジュール(イメージ)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_seisaku_suishin/kodomo_seisaku_kyougi/siryou1.pdf
・こども政策の推進に係る有識者会議 報告書 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_seisaku_yushiki/pdf/211129_hokokusho.pdf
・こども政策の推進に係る有識者会議 第2次報告書 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_seisaku_yushiki/pdf/230328_hokokusho.pdf
【開催報告】2023年3月19日(日)第22回子どもの貧困対策情報交換会
土曜日, 5月 6th, 20232023年3月19日(日)14:00~16:30、第22回子どもの貧困対策情報交換会を開催いたしました。
(主催:「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク/助成:公益財団法人 キリン福祉財団)
今回のテーマは、「児童館の今後のあり方~ソーシャルワーク機能の充実に向けて~」。
講演タイトルと講演・報告者は、以下のとおりです。
〇講演「児童館は子どもの権利のとりで~遊びからはじまるソーシャルワーク~」
・安部 芳絵さん/工学院大学 准教授
〇報告
・木戸 玲子さん/京都市修徳児童館 館長
・大久保 さくらさん/北海道中標津町西児童館 児童厚生員
安部さんは、まず、子どもに関するあらゆることを考えるときの「ものさし」として、国連子どもの権利条約が大前提になることを明確にし、こども基本法11条では、すべての基礎自治体でこども施策にこどもの意見を反映させることが義務となっていることを指摘しました。
また、「児童館ガイドライン」と、昨年12月に報告された「社会保障審議会児童部会 放課後児童対策に関する専門委員会『児童館のあり方に関する検討ワーキンググループとりまとめ』」について、子どもが自分で選んで行くことができる唯一の児童福祉施設という児童館の特性を生かし、遊びを通してソーシャルワークにつなげていく視点の重要性を強調しました。
木戸さんは、日々の子どもたち、地域の人たちとの具体的なやりとりを紹介しながら、「子どものことなら、児童館に聞いてみよう」と言われ、とてもうれしかったと語りました。そして、地域で過ごせることは、子どもにも親にも大事であることも、添えました。
大久保さんは、「中標津町から、不幸な子どもをつくらない、つくらせない」を合言葉に活動していると語りました。地域の関係機関とは、子育て支援・虐待防止ネットワークをつくり、公設公営の児童館としての役割をもっているとのことです。
お二人とも豊富な実践内容で、質問も、他の関係機関との関係や人の確保や育成についてなど、幅広い関心がうかがえました。
■参加人数
約200人
■参加者のお立場・地域
児童館職員(館長・厚生員)・自治体主管・運営団体職員・行政職員・自治体議員・NPO職員・学童保育指導員・保育士・児童自立支援施設指導員・教職員・スクールソーシャルワーカー・学生・大学院生・研究者・メディア関係者・支援団体ほか
北海道から四国・九州・沖縄まで全国各地から
■参加者の感想より
・小学5年生の父親なのですが、児童館とは何か、なぜあるのか、これまで知らなかった。 地域でどんな役割を担っているのかをぱちんと教えていただきました。
・私は児童館職員としてまだ1年に満たない館長ですが、そんな短い期間でも、厚生員さんたちがとても頑張ってくれている姿と、それに対する評価が見合っていない現状を見てきました。
全体の内容ももちろん良かったですが、最後に先生が行政関係者に対して仰って下さったメッセージに本当に涙が出ました。次年度から、より一層頑張っていきたいというモチベーションになりました。
・子どもの貧困対策の視点から児童館を運営している法人として、スタッフにも聞かせたい内容でした。アーカイブ化していただくことは難しいでしょうか?
・安部先生の「児童館は子どもの権利のとりで」遊びの中から子どもたち・保護者・地域が見えてくる。というお話はよく解りました。実際に現場で頑張っている先生たちのお話も現状がわかりよかったです。
・児童館・児童施設についていままで昨今のニュースの影響でマイナスのイメージが数多くありました。
しかし、皆様のお話を聞いていくうちに子供たちの大切な居場所というだけでなく地域や保護者の方にとってもなくてはならない場所ということを学ぶことができました。ニュースだけの情報をうのみにしてはいけないと気付いた時間でもあります。
・市内の子どもの居場所づくりを児童センターと共に推進しており、10ヶ所の居場所が2年間でできています。しかし、こども家庭庁の組織図のどこにも児童館の文字がないのは、残念、というか、虚しいですね。
・司会の方の進行・コメントが素敵でした。
【開催報告】2022年6月19日(日)第20回子どもの貧困対策情報交換会
木曜日, 6月 30th, 20222022年6月19日(日)14時00分~16時15分、第20回子どもの貧困対策情報交換会
「内閣府「子供の生活状況調査」報告から考える」を開催しました。
(主催:「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク/助成:公益財団法人 キリン福祉財団)
昨年度、内閣府「令和3年度子供の生活状況調査」の分析報告が発表されました。子どもの貧困状況に関しては、これまでもいくつかの地方自治体で実態調査が実施されてきましたが、全国規模で実施されたものは今回が初めてとなります。
今回の情報交換会では、この内閣府の調査に携わった北里大学の可知悠子さんをお招きし、今回の調査の意義、調査から見えてきたもの、今後の全国調査や各地の調査に向けて検討するべきことなどを考える機会として企画されました。合わせて、今回の内閣府の調査を活用した沖縄県の調査についても、二宮千賀子さんからご報告をいただき、札幌学院大学大澤真平さんから最後にコメントをいただきました。
最初に、可知さんから内閣府調査の概要および主な調査結果についてお話をいただきました。まず、本調査に先行する研究として「令和元年度子供の貧困実態調査に関する研究」があり、それによって、これまで全国各自治体が実施してきたアンケート調査の共通項目を見出すことが目指されました。それらの項目をもとに今回の内閣府調査は実施され、子ども(中学2年生)と家族の生活状況についての全国的な実態把握とともに、経済状況及び世帯構成別に調査項目ごとの分析が行われました。調査項目としては、父母の就労状況、養育費、学校生活、非認知能力、逆境体験、新型コロナウイルス感染症の影響など多岐にわたっていました。今後の課題として、「物質的はく奪」指標などを加えた分析を行うことや、縦断調査の必要性などが指摘されました。
次に、二宮さんからは沖縄県による調査は、これまで7年間、子どもの年齢を変えながら毎年継続されてきているが、2021年度の調査は内閣府の全国調査との比較(中2)をベースに調査票が作成されており、全国と比較ができたことで、沖縄の現状をより深く推察できる調査になったとのお話がありました。特に、2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響の比較ができ、より意義のあるものになったとの指摘もありました。
最後に、大澤さんからは、全国での調査が行われたことがまず評価できる点であることが強調されました。今回の調査結果については、低所得の親たちがきちんとした子育てができる前提条件(例えば、所得、時間、気持ちの余裕、支援体制など)が欠けているという風に理解するべきであり、そうした点での支援の強化が求められているのだと思うとコメントがありました。
可知さん、二宮さん、大澤さんと、ご参加の皆様に改めて感謝申し上げます。
■参加人数
140人
■参加者のお立場
教職員、NPO法人、社団・財団法人、地方議員、学生・大学院生、新聞社、
大学教員・講師、自治体職員、スクールソーシャルワーカー、支援団体、
会社員、保育士、社会福祉士、弁護士、医師、子ども食堂スタッフ ほか
■報告資料
〇可知 悠子さん
・令和3年 子供の生活状況調査の分析 報告書
https://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/chousa/r03/pdf-index.html
〇二宮 千賀子さん
・2021年度 沖縄子ども調査について
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2022/06/20220619ninomiya.pdf
・参考)沖縄子ども調査の結果について(沖縄県ホームページ)
https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/kodomo/kodomomirai/kodomotyosa/kekkagaiyo.html
■参加者アンケートより
・「子どもの貧困」おおよそわかっていたこととはいえ、社会統計によって位置付けることに意味はあると思います。内閣府が行なった以上、きちんと政策に結びつけていってほしいと思いました。
・全国調査がいよいよ現実化し、その結果についてお話しを聞く機会をいただき、大変ありがたく思います。また、沖縄調査と全国調査を並べて子どもの生活について考えることができ、今後のさらに子どもや子育て世帯に対する施策に生かされていってほしいと、改めて強く思いました。
・沖縄の報告で子どもの生の声が聞けて大変興味深かったです。生きた調査、政策につながる調査になっているのだと思います。子どもたちに夢や希望を与えられる調査にすることが大事ですね。
・報告書を読んだだけでは知りえない調査の背景や課題等についてお聞きすることができて良かったです。
【開催報告】2022年3月13日(日)子どもの貧困対策実践交流会2022
土曜日, 4月 2nd, 20222022年3月13日(日)14時00分~16時30分、子どもの貧困対策実践交流会2022
「ハウジングファーストの今―住まいの貧困に向き合う」を開催しました。
(主催:「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク/助成:公益財団法人 キリン福祉財団)
長引くコロナ禍が明らかにしたことは、医療や介護、さらに社会保障や雇用など、基盤となるべき社会制度全体のぜい弱さであり、あらためて可視化されたのが「貧困」でした。それでもなお、第一に「自助」が押し出される政治は続き、生活が困窮した人たち、家庭に拠り所を求めることが難しい人たちの中には、「住まい」を失い、「食料」の支援を求める人たちが生まれています。
こうした状況を受け、今回の情報交換会は小林美穂子さん(一社:つくろい東京ファンド)、岸田久恵さん(NPO猫の足あとハウス)をお招きし、誰にとっても「住まい」は権利であることを、確認し合うことを目的に企画されました。
小林さんの報告では、まず、ハウジングファ―ストの説明があり、これまでの支援のあり方が、行政や支援する側が「家に住むこと」の可否を判定することから始まったが、ハウジングファ―ストは、「住まいは人権である」という観点から、住む家は無条件に提供することから始めるという支援方法であるということが示されました。次に、コロナ禍での支援について報告がなされました。その影響を受けた人たちが、もともと雇用も居住環境も不安定だった人であったことが示されました。また、支援を継続する中で、厚生労働省の生活保護における扶養照会についての新しい考え方を導きだすことができたことも報告されました。
岸田さんの報告では、まず、2011年ごろからご自宅で、学習支援を始めたことがきっかけだったが、その後2016年ごろから自宅近くの土地を購入し、住居支援も合わせて行ってきたことが報告されました。学習支援は、居場所的な機能を大切にし、塾に行っていない中学生を対象に行っているとのことです。住居支援は、現在では3つの場所で10部屋以上を若者を中心に提供しています。住居支援をする中で気づいたのは、支援につながった若者の想定外の多様性であり、親子関係に課題のある場合や、警察や弁護士からつながる場合などもあるとのことで、さまざまな機関との連携をもとに支援をしているとのことでした。最後に、これからの展望なども含めご報告がありました。
休憩をはさんで、参加者からの質問と応答がなされました。また、NPO/サンカクシャで住居支援をしている荒井佑介さん、ご自宅で家族丸ごとの支援をしている荻野悦子さんから、小林さんと岸田さんのご報告を受け、コメントをいただきました。最後に、本ネットワーク世話人でもある、立教大学の湯澤直美さんが、まとめのコメントを行いました。
新型コロナウイルス感染拡大によりオンラインでの開催でしたが、全国から約87名の参加がありました。
小林さん、岸田さんとご参加の皆様に改めて感謝申し上げます。
■報告資料
〇小林美穂子さん/一般社団法人つくろい東京ファンド メンバー
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2022/04/20220313kobayashi.pdf
(PDFファイル:3MB)
〇岸田久恵さん/NPO法人猫の足あと 代表
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2022/04/20220313kishida.pdf
(PDFファイル:1.4MB)
■参加者アンケートより
・支援の現場の方の詳しい話が聞けたのが素晴らしかった。どの方も非常に、特に小林美穂子さんが問題提起力という点で優れていらして、大変ためになる話を聞けました。また、行政に望むことというのが実はとても知りたかったので、まさにほしい情報が得られました。
司会を務めていらした男性の雰囲気もとても素敵でした(案外、そうしたことが視聴者の心理には影響があったりします)。
・本当に地道に活動なさっていることを知ることができました。行政がやるべき仕事を、そんなのを待っていたら救えないと、必要性に応じて活動をしていらっしゃったことがよくわかりました。また、それに賛同・協力する企業などがあることも嬉しいことでした。
・ハウジングファーストの重要性、コロナ禍における様々な実践報告を聞くことができ、とても参考になりました。子どもたちの自立を支援する児童養護施設職員として、自分自身も様々な方と連携し、子どもたちの成長を卒園後も見据えて支援していく必要があると感じました。ありがとうございました。
・ハウジング・ファーストや、ハーム・リダクション(?)という初めての考え方を知ることができ、内容の濃い交流会でした。私も青少年自立支援のNPOでボランティアをしていますが、東京だけでもこんなにたくさんの団体・個人が支援に関わっている(ということは、それだけ支援しないといけない対象がいる)ということに目まいがする思いです。
【開催報告】2022年2月26日(土)第19回子どもの貧困対策情報交換会
木曜日, 3月 24th, 20222022年2月26日(土)14時00分~16時00分、第19回子どもの貧困対策情報交換会
「いま危機にある日本の児童手当制度-子どもを真の受益者にするには」を開催しました。
(主催:「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク/助成:公益財団法人 キリン福祉財団)
コロナ禍の中「子育て世帯臨時特別給付金」等が不十分ながら実施されましたが、離婚前別居や基準日を過ぎてからの別居・離婚といった事情にあるひとり親世帯が対象外となるなど、様々な問題も生じました。一方で、児童手当制度については昨春の国会で所得制限を強化する「改正」が行われただけでなく、今回の給付金をめぐる混乱や「こども家庭庁」創設をテコに、この現金給付の制度をさらに改悪・変質させようとする動きがあります。
今回の情報交換会では日本の児童手当制度の研究者である北明美さん(福井県立大学名誉教授)にこれらの問題について、また子どもの福祉とジェンダー平等の観点からお話しを伺い、みなさんとご一緒に学び合う機会として企画されました。
北さんの報告では、まず、日本の児童手当制度の現状についてご説明いただいた後、2022年10月から始まる所得制限の強化や、世帯合算方式の話を踏まえて、所得制限の目的がどこにあるのか?所得制限が必要な世帯に支援を強化するためではなく、政府・財務省の裁量で所得限度額が決定され、その結果後付けで支給対象世帯が決められているという、非民主的な制度となっている点について指摘がありました。
また、諸外国との制度比較や、児童手当制度の「こども保険」化(社会保険化)構想について、子育て世帯10万円臨時給付でのDV避難者・別居母子世帯への支給漏れについての話を通し、
・所得制限や社会保険化による社会の分断
・児童手当の受給権は誰にあるべきか
・市場や親の経済状況に左右されない権利を子どもに保障するべき
という、日本の課題についてのお話がありました。
休憩をはさんで、参加者からの質問と応答がなされました。新型コロナウイルス感染拡大によりオンラインでの開催でしたが、全国から約170名の参加がありました。
北明美さんとご参加の皆様に改めて感謝申し上げます。
■報告資料
〇北明美さん/福井県立大学名誉教授
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2022/03/20220226kita.pdf
(PDFファイル:3MB)
■参加者アンケートより
・児童手当について知らないこと、知らされていないことだらけでした。本日お話聞かせていただけて良かったです。初歩的な質問にも丁寧にお答えいただき北先生には感謝しております。
・児童手当の役割とは、というスライドが、とても良かった。社会的な分断を生まないためにも、良い話でした。ありがとうございました。
・児童手当に対する、政府と財界の視点と本来持っておくべき視点を整理することができ、良い機会をいただけたと思います。
・こども保険構想など、自分の知らないことを知ることができた。また具体的な事例を挙げて説明していただいのでとても理解できた。目に見える「事実」だけでなく、「国の思惑」なども合わせて伺うことができたことはたいへん勉強になった。
・正直なところ、広報を拝見したときには児童手当の何がそんなに問題なのかよくわからないと思ったのですが、(消えた夫のもとに振り込まれ続けるという問題はよく聞きますが…)子ども保険構想のような、言われてみればいかにもありそうな話なども初めて知り、たいへん勉強になりました。もっとも考えさせられたのは、所得制限の有無が、誰が損をするとか得をするとかいう議論を超えて、社会像の選択と結びついているという点でした。所得階層間の対立や分断を進めることなく、子育ての負担を親だけではなく社会も担うことへの合意形成のあり方を探ることは、児童手当の問題に限らず非常に重要だと思いました。
・途中からの参加になってしまいましたが、北先生の論文などぜひ読ませていただきたいと思いました。水平的再分配、垂直的再分配、再分配のパラドクスなど自分の中で消化し、議会議論でも発信していきたいです。分断ではなく連帯へ、社会を再構築していかなければと強く感じました。
2021年1月22日(金)45団体にご賛同頂きました「新型コロナウイルス感染症に対する医療の保障とともに、経済的に困難を抱える子どもと家族への支援の強化を」
金曜日, 1月 22nd, 20212021年1月22日(金)45団体にご賛同頂きました「新型コロナウイルス感染症に対する医療の保障とともに、経済的に困難を抱える子どもと家族への支援の強化を」
1月12日にメーリングリスト及びHP・SNS等でお知らせした
緊急要望「新型コロナウイルス感染症に対する医療の保障とともに、
経済的に困難を抱える子どもと家族への支援の強化を」への団体賛同は、
1月22日までのまとめで、45団体となりました。
下記のとおり、公表いたしますとともに、寄せられた声の一部をご紹介いたします。
お忙しいなか、ご賛同いただいたみなさまに、心よりお礼申し上げます。
また、緊急要望書に賛同団体名を添え、再度関係各省庁へ提出いたしましたことをご報告いたします。
「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワーク世話人会
◆緊急要望「新型コロナウイルス感染症に対する医療の保障とともに、経済的に困難を抱える子どもと家族への支援の強化を」はこちらから
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2021/01/20210111youbou.pdf
◆緊急要望「新型コロナウイルス感染症に対する医療の保障とともに、経済的に困難を抱える子どもと家族への支援の強化を」
賛同45団体
(2021年1月22日時点/五十音順)
i知 安心生活
いかそう!子どもの権利条例の会
一般社団法人ぎふ学習支援ネットワーク
一般社団法人ともしびatだんだん
一般社団法人静岡学習支援ネットワーク
ウィメンズネット旭川
NPO法人子どもと共に歩むフリースペースたんぽぽ
NPO法人青少年就労支援ネットワーク静岡
NPO法人こどもソーシャルワークセンター
NPO法人しげまさ子ども食堂-げんき広場-
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NPO法人官製ワーキングプア研究会
NPO法人せたがや子育てネット
NPO法人台東区の子育てを支え合うネットワーク
NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク
NPO法人山口せわやきネットワーク
おかもと行政書士事務所
樹花舎
岐阜キッズな(絆)支援室
グリーフサポートこだいら
公益財団法人キリン福祉財団
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こころネットワーク
こすもす・だれでも食堂
こども食堂かくしょうじ
子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会
コロナ災害対策自治体議員の会
コンティーゴ あなたといっしょ
自治体議員立憲ネットワークおおいた
志布志子ども食堂
住吉町子どもサロン
小学校休業等対応助成金の個人申請を求める親の会
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だれでも食堂にいざ実行委委員会
特定非営利活動法人CAPセンター・JAPAN
特定非営利活動法人スマイルBasket
特定非営利活動法人猫の足あと
認定NPO法人フリースペースたまりば
認定特定非営利活動法人インクルいわて
認定特定非営利活動法人こどもの里
坂東市生活学校こども食堂
反貧困ネット北海道
不登校情報センター
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訪問看護ステーションKAZOC
ぽけっととしょかん
まちづくり市民こだいら
満福いずみ食堂
若者の再出発を支えるネット
◆賛同団体から寄せられた声(一部紹介)
●コロナ禍以前から生保家庭や困窮家庭、ひとり親家庭、外国籍家庭の子どもたちの支援をしてきました。コロナ禍で彼らにさらなる試練が加わっています。
●貧困世帯が多く、ひとり親世帯の困窮度はますます増大し(特に外国籍のシングルマザーは家計が厳しいです)、子どもは学習できる環境が十分ではなく、毎週学習支援や食糧などの支援を行っています。
●低学年の不登校の子どもが増えています。また、GIGAスクール構想で一人1台グーグルクロームブックが配布されています。(中略)本当に困っている子どもへの支援が行き届いているかとても心配です。分断化も心配です。
●親の仕事がなくなり、学習支援室での「小夜食」が頼みの綱という兄弟がいます。親子が狭い部屋に一日居ることで「家にいたくない」とつぶやく子。いつも弱いものが「割りくう」世の中って未来あるのかしら??
●いつでも気軽に声をかけ遊ぶことができなくなっています。子どもの地域での自由な遊びを保障できる環境を取りもどしたいです。
●私達の食堂では、昨年2月から開催を休止し、4月から月に2回の食料品配布活動に取り組んでいます。希望家庭は現在も少しずつ増え続けており、子育て世帯を中心に、ひとり親家庭などの生活困窮の回復が見込めそうにありません。私達のような小さな団体の力では限りがあります。ぜひ、公助の力を発揮していただきたいです。
●子どもの状態は、社会の様子をもっとも凝縮して表します。その子どもが耐えられない状況に置かれている日本を何とかしたいです。
◆賛同45団体一覧・お寄せいただいた声はこちらからダウンロード頂けます。
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2021/01/20210122youbousyo_sandou.pdf
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「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク
TEL 070-6576-3495(電話番号が変わりました)
E-mail mail@end-childpoverty.jp
HP https://end-childpoverty.jp
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2021年1月12日(火)【ご報告】団体賛同:緊急事態宣⾔発出にかかる住居喪失者への⽀援要望
火曜日, 1月 12th, 2021新型コロナウイルスの急速な感染拡大のもと、1月7日、政府は、1都3県での緊急事態宣言発出を発表しました。
これに先立ち、「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワーク世話人会は、1月6日、
東京都と都議会各会派に向けての住居喪失者への支援要望提出に、団体賛同いたしました。
添付と下記より、ご報告いたします。
「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワーク世話人会
【緊急事態宣言発出にかかる住居喪失者への支援要望】
賛同団体:一般社団法人つくろい東京ファンド, 有限会社ビッグイシュー日本, 認定NPO法人ビッグイシュー基金, NPO法人官製ワーキングプア研究会, 新型コロナすぎなみアクション, コロナ災害対策自治体議員の会, 認定NPO法人世界の医療団, 特定非営利活動法人TENOHASI, 新型コロナ災害緊急アクション, 反貧困ネットワーク, 社会慈業委員会ひとさじの会, ホームレス総合相談ネットワーク, 渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(のじれん), 「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワーク世話人会, (以上、14団体)呼びかけ人:北畠拓也
<要望>
[1] 緊急事態宣言に伴う支援について
1. ネットカフェ等の商業施設を起居の場としている方がいらっしゃる現状を鑑み、ネットカフェ等の商業施設を緊急事態宣言に伴う休業要請の対象にする場合は、以下に示す必要な支援を行うとともに、緊急宿泊支援の周知のため、一定の猶予期間を設けること。
2. 休業要請の如何に関わらず、コロナ禍の影響等で住まいを失う方への必要な支援を行うこと。
① 現在行われている一時滞在場所提供を継続・拡充すること
② その際、積極的な広報を行うこと
③ 利用する窓口による対応格差を是正し支援の全体像をわかりやすく設計すること
④ 一時宿泊場所滞在後、関係機関と連携し必要な支援の窓口や住宅への接続を確実に行うこと
[2] 生活保護の利用を促す取り組みについて
1. 生活保護は国民の権利であること、誰もが困窮時に利用できることを、HPやSNSだけでなく都知事自ら呼びかけることやテレビCM, インターネット広告, 街中の電光掲示板の活用など、東京都からも積極的な発信を行うこと。
2. 各自治体で適切な運用が徹底されるよう東京都としても指導や監督を行い、申請を受け付けないなど不適切な運用を防ぐこと。
[1][2]両者に関係して;
安定した住まいの確保(生活保護の場合は居宅保護の原則の遵守)が図られるよう、入居できる住宅を確保すること。その際には、公営住宅の活用や応急借上げ住宅の適用、民間支援団体との連携、居住支援協議会・法人の機能強化などあらゆる手段を講じられたい。
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詳細は、下記よりごらんください。
〇緊急要望書(東京都宛)
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2021/01/20210106youbousyo_tokyo.pdf
〇緊急要望書(都議会各会派宛)
https://end-childpoverty.jp/wp-content/uploads/2021/01/20210106youbousyo_kaiha.pdf