12月14日(土)「子どもの貧困対策・自治体セミナー」を開催致しました
当日配布資料はこちらからダウンロード頂けます
20131214jititai_seminar_shiryou ※PDFファイル(2.66MB)
12月14日(土)「子どもの貧困対策・自治体セミナー」を開催致しました
2013年12月14日(土)に第1回「子どもの貧困対策・自治体セミナー」を開催致しましたので、 以下の通りご報告致します。
◆日時:2013年12月14日(土)12時30分開場 13時~16時30分
◆会場:お茶の水女子大学 共通講義棟1号館301
◆参加者:84名。
(自治体職員、地方議員、NPOスタッフ、学生、大学教員、マスコミ関係者、省庁職員など)
◆内容
4名の方々に自治体での取り組みを報告していただいた。
◎報告1:片岡孝さん(東京・荒川区総務企画部企画担当課長)には「あらかわシステムと荒川区の取り組みの現状」をご報告いただいた。 「区政は区民を幸せにするシステムである」という区の基本姿勢のもと、荒川区民幸福度の研究とともに、2009年には「子どもの貧困問題検討委員会」が設置された。同年には荒川区自治総合研究所が設立され、「子どもの貧困・社会排除問題研究プロジェクト」がスタートした。2011年には最終報告書がまとめられ、「荒川区子どもの貧困・社会排除問題対策本部」が設置されている。
◎報告2:富山耕生さん(東京・足立区教育委員会子ども家庭部こども支援センターげんき・北地区支援係・相談員)には、「あだち・ほっとほーむ事業について」ご報告いただきました。 足立区では、2002年に子ども家庭支援センターを設立し、「あだち・ほっとほーむ」事業を開始しました。現在の法的位置づけは「養育支援訪問事業」。養育困難家庭で支援が必要であると判断した家庭に対し、区が指定する「あだちほっとほーむ協力家庭」が養育支援をするシステムだ。協力家庭は登録制の有償ボランティアで、対象となる子どもは3か月から15歳(中学生)です。「最も不遇な児童の潜在能力を補償するため、オーダーメイドの支援を提供」する点にこの事業の意義がある。
◎報告3:白數宗雄さん(京都府健康福祉部家庭支援課ひとり親家庭支援担当課長 )には「ひとり親家庭で育つ子どもへの支援―NPO 等とつくる居場所づくり」についてご報告いただいた。 この事業は、悩みや不安をもつひとり親家庭の子どもと保護者が、気軽に交流し集うことのできる居場所を提供することで、子どもの心の安定や学習意欲の向上、保護者の悩みの解消を図ることを目的としています。NPO等に補助金を交付し、通年型は3か所、夏休み短期型は19か所で実施されている。通年型には①平日開催型(生活支援・学習支援・余暇支援・保護者支援の4プログラム)、②土日開催型(ピアサポート&ワークショップ、学習支援・食育プロジェクト、定期プログラム)がある。
◎報告4:岡部卓さん(首都大学東京・教授)には、有識者の立場から神奈川県による生活保護受給世帯の「子どもの健全育成プログラム策定推進モデル事業について」ご報告いただいた。 神奈川県では、2010年度からこのモデル事業を実施している。生活保護を所管する郡部保健福祉事務所6か所に、生活保護制度と子育てについて専門的知識をもつ「子ども支援員」を配置し、家庭訪問や電話相談、カンファレンスや関係機関調整など、積極的なアウトリーチによる寄り添い型の支援を実施している。また、ケースワーカーが子どもに支援を行ううえで活用するため、手順や留意点、関連する情報を集めた支援の手引書にあたる「子どもの健全育成プログラム」も作成されている。全年齢を対象に6つのプログラムを作成し、新任ケースワーカーや関係機関でも使えるよう工夫されている。 セミナーの参加者からは、「子どもの選択の幅を広げ、社会資源や機会を提供していきたい」「困窮している家庭を支援するには、多様な人が関わることが大事であり、輪がつながり、ネットワークが構築される必要があるという認識を共有した」などの感想が寄せられた。